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登場人物
●友達A
●友達B
●女子たち
●自分
今日は数十年に一度の大量の流星群がみられる日だ。
私はある建物の屋上で、友達二人とその瞬間を今か今かと待っていた。
普段はあまり興味もないのに、数十年に一度などと言われるとみたくなるのが人の性。
三人でたわいもない話をしながら過ごしていた。
ニュースで言っていた観測予定時刻になった。
そしてそれは突然現れた。ひとつ、ふたつ、みっつ。
しばらくするとあっという間に夜空一面に流れ星が流れた。
私たちはこの時を逃すまいと、各々自分の携帯電話のカメラで写真を撮った。
AもBも私もとても興奮していた。
何枚写真を撮っただろうか。ふと自分の手元に目をやると自分の携帯電話が変わっていた。
私は普段スマートフォンを使っていた。しかし、今私の手元にあるのは二つ折りのいわゆるガラケーというやつだ。なぜだろう、いつから変わっていたのだろう。
そうこうしているうちに流星群は終わってしまった。
私は流星群の余韻よりも自分の身に起きた不思議な出来事で頭がいっぱいになった。
自分に起きた出来事をAとBに話をした。二人ともわからないと言った。
私は自分の携帯を探しに建物の中を探すことにした。建物の中にはたくさんの女子たちがいた。なにか催しの準備をしている様子だった。そしてみなもれなくコンセントで携帯を充電していた。
私は建物の中にいる女子たちに私の携帯をみなかったか聞いてまわった。
しかし、だれ一人として私の携帯を知らなかった。私は捜しまわるうちに、屋上に戻ってきた。屋上ではAとBが携帯を探してくれていた。
私も一緒になって屋上のあらゆる場所を探した。するとぽつぽつと雨が降ってきた。
ヤバい。雨に濡れると携帯が壊れてしまう。このままみつからなかったらどうしようと思った。
その時私はあることをひらめいた。
ここで夢がさめた。
私がひらめいたこととは、夢からさめるということだった。これは夢なのだから、さめてしまえば全ては元通りになる。そう思ったのだ。これは私の夢なのだから、都合が悪ければ目を覚ましてしまえばそれまでだと思った今日この頃だった。