しいたけの独り言 ~本日のゆめの話~
登場人物
●保育所の時の友達
●保育所の所長先生
●自分
私は幼い頃通っていた保育所にいた。
その保育所では所長先生が子供たちに書道を教えていた。
また、土曜には卒園した子供が書道教室としても通っていた。
私は物心ついた時から書道をはじめて中学3年生まで書道教室に通っていた。
その保育所には仲の良い友達がいた。彼とは小学校が違ったが、卒園した後も書道教室で一緒になっていた。
彼はとても字が上手で背が高かった。さらに誰にでも優しくて頭もよく、かっこよかった。
私はそんな彼が好きだった。それと同時に彼のようになりたくて、彼にあこがれていた。そしてなにより彼に負けたくなかった。
彼は私にとって大切な友達であり、あこがれる存在であり、よきライバルだった。
そんな思い出がたくさん詰まった場所で、昔の思い出を懐かしんでいた。
すると、仲の良かった彼が現れた。彼と会うのはすごく久しぶりだった。
久しぶりの再会に懐かしさと気恥ずかしさがあった。お互い随分と大人になったと感じた。
それからお互いの近況や昔話をした。なんとも言えない心地よさがあった。
時間はあっという間に過ぎた。そろそろ帰ろうということになった。帰る前にお世話になった所長先生に挨拶をしようと思い、二人で先生の部屋へ行った。
先生は椅子に座っていた。先生もだいぶお年を召された。とても穏やかに優しい表情で微笑んでいた。先生は私たちの訪問を喜んでくれていた。
先生に挨拶が終わり、私たちは別れた。
ひとには良い思い出もあれば悪い思い出もある。これから私も年をとる。いろいろな経験をするだろう。そしていつか天命を全うしたときに、良い思い出たちを思い返すだろう。その時に先生のように穏やかに優しい表情で微笑んでいたいと思った今日この頃であった。