しいたけの独り言
最近意識していること
私は昔から哲学というものが好きだった。
好きになった理由ははっきりと覚えていないが、大昔の先人たちが考えていたことを現在の私たちも同じように考えていると思うと少し救われる思いがした。
昨年うつ病になり、休職をすることになった。いつ回復するかもわからない不安な中で、以前から好きだった哲学に再び触れてみることにした。
そして、これからもずっと読み続けたいと思える本に出会った。
その哲学書は、書物というより日記を綴ったようなものだった。日々の気付きやこれまでの人生で辿り着いた考えなどが書かれていた。
中でも特に私の心に残ったものが3つあった。
①良い人であること。
②いつでも善い行い、人に親切にすること。
③親切の見返りは期待しないこと。
①と②に関しては改めて言うことのほどではないと思う。
しかし、③に関してはどうしても人に親切にすると見返りを期待してしまう人も多いのではないだろうか。私もついつい見返りを期待してしまう。これは一見簡単なようだが意外と難しい。
この本では親切にしたことを、実を付ける樹に例えていた。
『豊かな実を付けた樹は、実を付けたあととくになにも望んだりはしない。次の年には当たり前のようにまた新しい実を付けるだけだ。』
これにはとても納得がいった。人に親切にすることはもうそれこそが自分のためになっている。見返りを求めれば、それはもう価値がなくなってしまう。
見返りなど求める必要がない、それ自体がもう自分のための行動なのだと思うと当たり前のことのように淡々と行えばよい。そう思った瞬間なぜか心がふっと軽くなったような気がした。
この本には、上記の3つ以外にも素晴らしいことがいろいろと書いてある。これからの人生のその時々で感じることや良いと思うことが変わる気がする。それもまたこの本を何度も読み続けたいと思える要素であると感じた。