しいたけの独り言
複雑な男心
今日新しくオープンしたスーパーに買い物に行った。
そこで背の高いショートカットが似合う、二人の子供連れの女性をみつけた。
私はどことなくその女性に見覚えがあった。
お互いマスクをしていたが、私はマスク越しでもその女性が誰だがわかった。
その女性は私が、小学校入学から中学卒業までの9年に渡って片思いをした女性だった。
その当時の私は、彼女と自分は釣り合わないと告白することさえできなかった。
私はこれまでの人生でさほど後悔をしたことはない。しかし、唯一の心残りがあるとすれば、当時彼女に告白できなかったことだ。
そんな彼女に出会ってしまった。少し、嬉しくもあり、悲しくもあった。
二人の小さな子供を一人で一生懸命あやしながら買い物をしていた彼女は、当時の私の知る彼女とは少し違った。家庭を持っていて、日々妻として母として頑張っているのだろうと思った。
当時の心残りと彼女への想いを少し思い出した。彼女の幸せを密かに願い、想いをそっと心の宝箱の中にしまい、鍵をかけた。