しいたけの独り言 ~本日のゆめの話~
登場人物
●バスケ部の先輩
●自分
今日は練習試合の日だった。
私は部室でユニフォームに着替えていた。
しかし、ある事に気が付いた。
バスケットシューズがない。
きっと忘れたのだ。よく忘れる。
バスケットボールをするのにバスケットシューズをよく忘れるとは・・・。
部室にシューズがないか探す。体育館シューズのようなものしかない。
まあしょうがないかと思いながら一応履いてみた。
やっぱりしっくりこない。
しっくりこない気持ちのまま、体育館へ向かった。
するとそこに先輩がいた。なにか困っているようだ。
「どうしたんですか?」と私は声をかけた。
「穴にボールが落ちてしまって・・・。」
穴にボールが落ちた?体育館に穴なんてあったかなと思ったが、先輩が指さす方を見ると、確かに穴が開いていた。人が一人入れる大きさで、1m50cmくらいの深さの穴が。
私はあることを思いついた。
「先輩もし僕がボールをとったら、バッシュ貸してください。」
先輩は少し考えた後、私の提案を承諾した。
私の作戦はこうだ。穴に足から入り、穴のふちに手をかけて、足でボールを挟み込むようにして持ち上げるというものだ。
私は恐る恐る穴に入った。体を伸ばして足の感覚でボールを探した。
あった、ボールだ。両足でボールを挟み込んだ。ボールを落とさないように慎重に体を引き上げた。
少し時間はかかったがなんとかボールを引き上げることに成功した。
先輩にボールを渡した。これでバッシュを借りられる。私はほっとした。
やったことがないことでもやってみると意外と何とかなるものだ。やる前はできるかどうかと思いをめぐらせ、尻込みしてしまうこともある。しかし、考えていてもことは前にすすまない。とにかくやってみることだ。ダメだったら他の方法を試してみればよいだけだ。まずは動きださなければなと思った今日この頃だった。