しいたけの独り言 ~本日のゆめの話~
大切なもの
見知らぬ街で、私は一糸まとわぬ姿だった。そして私の前には厚手のヨガマットのようなものがあった。私は咄嗟に目の前にあったヨガマットを体に巻いた。さながら昆布巻きのようだった。
これでギリギリ警察への通報は回避できるかもと思った。いやかなりアウト寄りのギリだ。とにかく一刻も早く服を着なくてはと思った。
私はなぜか手元にあった携帯電話で父親に電話をした。そして父に服を持ってきてもらうよう依頼した。私の目の前に小さい交差点があった。人気は少ない。その交差点に小さ目の家電量販店があった。よし、あそこで落ち合おう。私は父に家電量販店のある交差点の場所を伝えた。
父が来るまでには時間がある。私は人目を掻い潜るようにあたりを歩き回った。人が来ると、さっと物陰に隠れ今か今かと時間が過ぎるのを待った。
その時私は街中より、家電量販店の中の方が隠れやすいかもしれないと思った。ヨガマットに包まった私は、ちょこちょこと小走りをしてお店に入った。昼過ぎで店内は人気がほとんどなかった。しめたと私は思った。陳列棚を上手く使いながら人の目を掻い潜った。
しばらくお店の中を走り周り、そろそろ父が着いた頃かと思い、店を出た。
しかし、父の姿はなかった。代わりに私の兄弟たちの声が聞こえた。私は兄弟たちの声のする方に走った。きっと服を持ってきてきれたに違いない。そう思った。
この夢にどんなメッセージがあったのかはわからない。そしてなぜ私は全裸だったのか。しかしこれだけは言える。これから私は普段何気なく着ている衣服に感謝するだろう。