しいたけの独り言 ~本日のゆめの話~
生物的な力
私の前には扉がある。
周りには何もない。目の前に扉があるだけだ。
私は目の前の扉を開けて中に入るしか選択肢がなかった。
扉を開けた。中は暗くて見えない。不安はあったが、私は扉の中に入った。
次の瞬間、滑り台のようなもので滑っていた。
滑り台のようなものはとても長く、どんどん加速していった。
しかし周りが見えないので、思ったより恐怖はなかった。
しばらく滑っていたら、突然体がふわっと浮いた。
すると目の前がパッとひらけて、目の前に柵に囲まれた広い空間が見えた。
その空間は動物園のような場所で、サバンナのようになっていた。
私がふわりと浮いて、地面に着地しようという時、遠くの方から大きな鳥の群れが猛烈な勢いで近づてきた。
私は着地すると、目の前には鳥の群れがいた。鳥は数十頭いる。目の前にいる鳥は、鳥類の中でも好戦的なヒクイドリに似ていた。
私は身構えた。鳥たちも自分たちのテリトリーに入ってきた、私を排除しようとしてるのがわかった。
どう戦うのが、正解か考えた。しかし、私には相手に攻撃する爪もなければ、噛みつくための鋭い牙もない。
冷静に考えたのち、私は後ずさりをしてクルっと向きを変えて逃げに転じた。
鳥たちはとてつもない勢いで私を追いかけてきた。
そのまま、私はしばらく逃げ回った。
人間は自分たちの知能を進化させることで、文明を築いた。それと引き換えに以前はあったかもしれない、野生を生き抜くための戦う爪や牙など失った。
普段の生活の中ではあまり意識をすることはない。しかし、目の前で動物と対峙して、敵意をむき出しにされた際に、丸腰ではなかなか勝つことが難しい。
人間は本当に進化したのだろうか。ある意味では退化したといってもいいのではないかと思う今日この頃だった。