間に合ってくれ
見間違い
ここはどこかの体育館。
私の周りには見覚えのある面々がいる。
中学校の時のバスケ部のメンバーだ。
私たちはこの後にある試合に向けて最終調整の練習をしていた。
試合前ということもありみんな集中していて気合が入っている。
試合は夜にあるためこの体育館を17時30分に出発する予定になっていた。
たっぷり練習をしてみんな少し疲れてきたため、休憩をとることになった。
みんなが休憩している間に私は体育館周辺を散策することにした。
この体育館には時計がなかったため、私が散策を兼ねて時間を確認してくることになった。
私は体育館を出た。体育館を出てしばらくすると時計があった。
時間を確認すると時計は16時40分だった。
もう荷物をまとめて出発するだけだったので、17時過ぎに体育館に戻ればいいと思った。
あてもなくブラブラとあたりを散策していた。
試合の前にリラックスできていい状態で試合に臨めそうだと思った。
私がそろそろ体育館に戻ろうとした時、バスケ部の仲間たちが慌てて前から走ってきた。
私はどうしたんだろうと思った。
だんだんと仲間たちが近づいてくる。すれ違う時に仲間の一人がもう出発時間を過ぎていると言った。
えっ、私は一瞬頭が真っ白になった。
私は時計を確認した時の記憶を思い返した。
私は16時40分だと思っていたが、よく考えたらあれは17時40分だ。
しまった、完全に見間違えた。
デジタル時計だとあまり間違えることはないが、アナログ時計だったために間違えてしまった。
そんなことを言ったところで言い訳に過ぎず、後の祭りだ。
私は急いで体育館に自分の荷物を取りに行き、仲間たちのあとを追った。
集合場所に行くとタクシーが何台も来ていて、みんながそれぞれ四五人ずつ乗って、試合会場へ向かっていく。
私もタクシーに乗り込み会場へ向かう。
みんなへの申し訳なさと時計を見間違えた恥ずかしさで一杯だった。
今はなんとか試合に間に合ってほしいと思う今日この頃だった。